住宅を購入するという事はリスクもついてきます。そんな中で何故マンションを買う前に読んで欲しいのかと言うと、マンションには修繕積立金があるからです。
マンションを購入すると毎月の支払いはローン返済以外に管理費・修繕積立金が掛かります。
このうち、特に家計を脅かすのが修繕積立金。ローンの返済が終わった後でも、毎月支払わなければいけないだけでなく、数年後の支払金額も定まっていません。
修繕積立金の危険性
今売りに出ているマンションのほとんどが修繕積立金を段階増額方式にしているって知っていますか?
気にしたことなかったけど段階方式ってなに?

修繕積立金の金額が年々上がっていく徴収方法です
新築時に修繕積立金を8,000円~9,000円に設定しているマンションが多いです。
月10,000円未満なら支払いは問題ないと思いますよね。
そう思ったあなたは、マンション販売会社にまんまと騙されています。
マンション販売会社は月々の支払いを安く見せる為に契約時の修繕積立金を安く設定しています。
購入者達で管理組合を設置し、修繕積立の運用を検討した時、10,000円前後では全然足りない事が判明します。
実際に私の知り合いが買ったマンションもわずか3年後に修繕積立金が10,000円も上がりました。わずか3年です。
そして、この修繕積立金は30年後、毎月いくらになるでしょうか?
一般的に試算される金額でいうと、月30,000円前後です。
ですが、おそらく月30,000円では足りないでしょう。
わずか3年で10,000円も上がったのに、30年で20,000円しか上がらない訳はないですよね。
建物は年数が経つとメンテナンスにお金がかかるって言うよね
修繕に係る費用の試算が甘くて、修繕積立金を安くしておくと、実際に修繕する時に不足分を修繕一時金として徴収されます。金額にして数十万円~100万円以上の場合も。
そんな高額を一括で払えず、修繕一時金の徴収が出来ない場合、修繕費を銀行から借り入れて修繕を行います。借り入れなので当然返済があり、その後の修繕積立金が大幅に上げる場合もあります。
退職後の年金暮らしにのしかかる高額な修繕積立金
定年退職後、退職金でローン残高を一括返済しても毎月の修繕積立金の支払いは無くなりません。
一般的な家庭で夫婦2人の年金受給額25~26万円位と言われています。
この時点であれば、ローンを完済していれば生活していけるでしょう。
ところが、問題はその後です。旦那さんが亡くなった後が問題です。

旦那さんが亡くなった時、奥様だけになったら年金は幾らもらえるか知っている?
旦那が亡くなった後の事なんて考えないよ。

若いころ共働きで、夫婦2人で26万円の年金をもらっている方は13万円位になります。
例)夫婦2人が共働きだった場合
旦那:老齢厚生年金80,000円 老齢基礎年金65,000円
奥様:老齢厚生年金50,000円 老齢基礎年金65,000円
合計:夫婦2人で260,000円
もし旦那様が亡くなってしまった場合、奥様の年金は下記の(1)~(3)から選ぶことになります。
(1) 遺族厚生年金のみを受給(=夫の老齢厚生年金の3/4)
(2) 自らの老齢厚生年金のみを受給
(3) 遺族厚生年金の2/3と自らの老齢厚生年金の1/2を受給(=夫と自分の老齢厚生年金の合計額の1/2)
…
(1)遺族厚生年金のみを受給(=旦那の老齢厚生年金の3/4)の場合
遺族厚生年金60,000円(旦那の老齢厚生年金の3/4)
老齢基礎年金65,000円
合計 125,000円
※自身が貰っていた老齢厚生年金はなくなります。
(2)自らの老齢厚生年金のみを受給
遺族厚生年金0円
老齢厚生年金50,000円
老齢基礎年金65,000円
合計115,000円
※旦那の遺族厚生年金は1円も貰えません。
(3)夫と自分の老齢厚生年金の合計額の1/2
遺族厚生年金40,000円(旦那の老齢厚生年金の1/2)
老齢厚生年金25,000円(奥様の老齢厚生年金の1/2)
老齢基礎年金65,000円
合計130,000円
※旦那が貰っていた厚生年金の半分を貰えますが、自身の厚生年金が半分になります。
金額が一番高くなる「旦那と自分の老齢厚生年金の合計額の1/2」でも130,000円です。
13万円の収入に対して、修繕積立金が月30,000円以上。下手をしたら修繕積立金は月50,000円になっているかもしれません。
戸建ては修繕が自己管理、家は死ぬまで維持できればOK
戸建ては修繕積立金がない分、自分で計画を立てて貯金をしなければいけません。
月々1万円貯金していけば、10年おきに1,200,000円の修繕が行えます。自己管理なので、使わないように気を付けないといけません
戸建は大体10~15年サイクルで修繕が必要になります。
自己管理の良い所は、修繕をするかしないかの判断を自分で出来る事。
40年後、50年後、ちょっとした修繕が必要になっても、「どうせ後何年しか生きないから修繕しなくても良い」なんて選択も出来ます。
誰かがその後住むわけではないので、自分が死ぬまで家が維持できればOKです。
まとめ
新築マンションは同じマンションに同世代の方が多く住み、子育て世代にとってはとても暮らしやすく、上階までエレベーターで上がれて、大型マンションならスーパーも近くにあるので、歳をとっても快適に暮らせます。
ただしメリットだけでなくデメリットにも目を向けてご検討ください。