注文住宅で後悔、コンセントの数と位置

注文住宅で家を建てる時、間取りが決まったらすぐに家の着工が始まる訳ではなく、着工はその後の詳細な打ち合わせをしてからになります。

詳細な打ち合わせは、住んでから後悔しないように図面の上をイメージで歩き回り、住みやすさを追求して決めていきます。注文住宅が完成するまで1年近くかかるのは、この詳細な設計があまりに多い為です。

施主からしてみれば打合せが多すぎて、家の着工はまだかまだかとモヤモヤしてしまいまい、打合せの最後の方は打合せ疲れで判断能力が低下し、細かい部分を適当に決めてしまう事があります。

しかし、詳細な打ち合わせはとても大事で、詳細な打ち合わせを疎かにしてしまうと、住んでから後悔する家になってしまいます。

中でも「住んでから後悔したこと」で多く上がっているのがコンセントの数と位置で、1部屋に2ヶ所くらいあれ事足りるだろうと安易に決めてしまう事が多々あります。

キッチンのコンセントは気持ち多めに

昔の調理家電といえば、炊飯器・電子レンジ・トースターくらいでしたが、最近は料理を短縮できる調理家電や、味にこだわった料理が出来る調理家電が沢山増えてきました。賃貸暮らしの時は、料理に興味が無くても、一戸建てを建てたら「料理もしっかりやらなければ」と思うようになる人も沢山いるかと思います。

しげ雄
家電量販品店で最新の調理家電を見て回ると、「こんなのもあるんだぁ」と驚く事があります。

キッチンのコンセント数は、今持っている調理家電に合わせて設計すると、便利な調理家電が欲しくなった時にコンセントが足りない問題が出てきます。

我が家のキッチンに置いてある調理家電は、炊飯器・電子レンジ・トースター以外に、コーヒーメーカーとティファールを置いているので、5つのコンセント口を使っています。妻は、テレビの通販番組でフードプロセッサーが紹介されると、「うちも欲しい」と言ってきますが、今のところ購入には至っていません。

しげ雄
しばらくしたら使わなくなるのが目に見えているからね。

他には、油を使わない電気フライヤー、自宅でパンが焼けるホームベーカリー等、お金に余裕があれば欲しい物は沢山あります。

脱衣所のコンセントは必須

コンセントの設置で忘れがちになってしまうのが脱衣所のコンセントです。脱衣所には洗面台があり、洗面台にコンセントが付いているので、コンセントを新設しなくても大丈夫と思われがちです。

しかし、洗面台のコンセントは1口しかないものが多く、高い位置に差し口があります。洗面台のコンセントで掃除機のコードを差し込もうものなら、洗面台の上に置いてある歯ブラシ・整髪剤・髭剃り・コンタクト用品等が邪魔をしてきます。

他にも脱衣所は意外とコンセントが必要になります。我が家は2匹のジャックラッセルテリアを飼っていて、定期的にお風呂に入れなければいけません。犬は臭いの原因となる脂肪分を含んだ汗を出すアポクリン腺が全身にあるので、定期的にお風呂に入れてあげないと体臭がきついです。

犬のお風呂上がりに体毛を自然乾燥で乾かす人もいますが、犬はお風呂から出たら体をしっかり乾かしてあげないと、濡れた体毛で体が蒸れて皮膚病になってしまう恐れがあります。

そんな事にならない為に、脱衣所にコンセントを設置しておくと、犬の高さに合わせた位置でドライヤーのコンセントをさすことができます。

いぬ君
犬はシャンプーの臭いを嫌がり、お風呂上りは落ち着かず走り回るよ。

最適な位置にコンセントがあれば、脱衣所内を走り回る犬にもドライヤーを当てることができ、犬が皮膚病になる心配も風邪をひく心配もなくなります。

さらに、脱衣所のコンセントが大活躍するのが寒い季節の入浴です。以前に「平屋生活で浴室乾燥が大活躍」でも書きましたが、入浴の事故原因の1つにヒートショックというものがあります。

関連記事

共働きの家庭で休みの日にまとめて洗濯をする家庭も多いはず。せっかくの休みの日なのに天候が悪かったら溜まっていた洗濯物はどうしますか。 いぬ君 渋々室内に干すかなぁ そんな悪天候の日でも浴室乾燥機があれば[…]

浴室乾燥機

寒い季節に寒い脱衣所で服を脱げば、突然の温度変化に血管は収縮します。若いうちは何気ない行為でも、歳を取って心臓が弱くなっている状態での血管の収縮は、命の危険になります。

寒い季節は、お風呂場を事前に浴室乾燥で温めておくのは勿論、脱衣所も入浴前に暖めておく必要があります。その為には、やはりコンセントが必要で、壁の少ない脱衣所であっても、何が何でもコンセントを設置しておく必要があります。

玄関は見た目も重視してコンセントを設置する

コンセントの設置場所で頭を悩ませるのが玄関です。玄関はお客様が来られた時、一番に目に入る場所で、「家の顔」になります。玄関の雰囲気によって、家全体のイメージを持たれるので、玄関をお洒落に彩る方も多いと思います。

玄関にコンセントがあれば、ハロウィンやクリスマスの飾り付けを電飾で彩ることができ、季節ごとのイベントを楽しむことが出来ます。

但し、使い勝手重視でコードを指し込みやすい場所にコンセントを造ると、スイッチプレートが見えてお洒落からはかけ離れた玄関になってしまいます。かといって、スイッチプレートが見えないように物で隠れる場所に設置をすれば、掃除機掛けの時など使い勝手が悪くなってしまいます。

玄関のコンセントは実用性と見た目の両方を考慮しなければいけないので、位置や数を考える時は、他の場所以上にイメージを持つ必要があります。

パソコン周りはコンセント不足が起こりやすい

ノートパソコンを使う方は気にしなくても大丈夫ですが、デスクトップパソコンを自宅で使う方はパソコン周りのコンセントも念入りに決めなければいけません。

デスクトップパソコンで使うコンセントは、本体・モニター・プリンター・モデム・ルーターの5口は最低でも必要になります。周辺機器を充実すればさらにコンセントの数は必要になり、他の家電も同じところのコンセントから電気をとるなら、8口位あっても良いくらいです。

ただでさえ配線の多いパソコン周りなので、延長コードで分岐をすると余計にゴチャゴチャした配線になってしまいますので、パソコン周りは隠蔽されたコンセントを事前に造っておくと良いです。

まとめ

戸建てに住むと家電が少しずつ増えていきます。家を建てて間もない時はコンセントの数や位置が気にならなくても、家電が増えるとともに「ここにコンセントがあったら」と思い始めます。

これから販売される家電を予測することは難しいですが、間違いなく今より生活が楽になる家電はこれからも増え続けます。注文住宅の詳細な打ち合わせで打ち合わせ疲れになっても、コンセントの数と位置はしっかりと決めた方が良いです。