平屋の防犯対策

泥棒による住宅の侵入窃盗は年々減っているものの、それでも2018年には全国で31,505件が被害にあっています。

参照:警察庁 住まいる防犯110番

平屋は2階建ての戸建てに比べて防犯対策をしっかりしておかなければ泥棒の入りやすい家になってしまいます。

鍵の無締り(無施錠)が一番危険

警察庁の統計によると、侵入窃盗の侵入手段で一番件数が多かったのが「無締り」。鍵の施錠のしていない箇所からの侵入が侵入手段の46.5%を占めています。

朝のゴミ出しやペットの散歩など、ちょっと家を空けるときを狙った犯行が増えています。

いぬ君

ゴミ捨てなんて、ものの2~3分だよ

泥棒は「2~3分あれば盗める」と考えています。「2~3分位の外出なら大丈夫」と思っていると、まんまと泥棒に入られてしまいます。

泥棒は狙った家の下見をしていますので、ゴミ出し時やペットの散歩時に無締りでいることは事前に把握されています。

そして、無締りが危険なのは外出時に限った話ではありません。

泥棒の侵入窃盗の手口は空き巣以外にも、忍込み、居空きがあり、家の中にいるときにも泥棒に入られることがあります。
※忍込みとは、夜間の就寝した時等を狙った犯行
※居空きとは、食事をしているすき等を狙った犯行

忍込みと居空きを合わせると侵入手口の14.9%にもなります。外出時だけでなく、いない部屋の鍵もしっかりかけておく必要があります。

玄関対策より窓ガラス対策

泥棒と言えば、「玄関鍵をピッキングで開ける」なんて事は昔の話。昔のギザギザの鍵であれば、物の数秒で鍵を開けられてしまいましたが、今の鍵はピッキングに強く、鍵を開けるのに時間が掛かります。

泥棒の侵入手段でドア破りが2.4%なのに対して、ガラス破りはその15倍以上の37.7%になります。

ガラス破りの手口は3つあり、打ち破り、こじ破り、焼き破りがあります。
※打ち破りは、ガラスを叩いて割り、手を入れてクレセント(ガラス窓の鍵)を回して解錠する方法。
※こじ破りは、ドライバーなどで窓ガラスに小さな穴を空け、棒でクレセントを押して解錠する方法。
※焼き破りは、バーナーでガラスを焼き、熱くなったところに水をかけて割り、棒でクレセントを押して解錠する方法。

しげ雄

ガラス全部を割らずに一部のガラスを割るだけで解錠が出来ます。

ガラス破りは手が全て入らなくても、クレセント近くに丸い穴を空けて、棒でクレセントを押せば簡単に解錠できてしまいます。

窓ガラスが網入りガラスでも、棒が入る位の穴が開けば良いので、防犯には何も役には立ちません。

平屋の防犯対策その1 クレセント

最近の2階建ては、2階にリビングで1階の窓はFIX窓(開け閉めの出来ない窓)しかない家が多いです。

平屋を建てるなら、当然リビングは1階で掃き出し窓や腰高窓が1階にあります。気になるガラス破りの対策は2階建て以上に気を使わなければいけません。

無締り46.5%の次に多い手口、ガラス破り37.7%の対策はいくつかあります。

クレセントにはクレセントロックを掛けることができます。クレセントを上げた状態でロックを掛けておけば、外から棒でクレセントを押されてもクレセントは回りません。

ただし、クレセントロックは棒をつかった手口は防げますが、手を入れて開ける手口には心もとないです。

クレセントロックと合せて鍵をかける事が出来るのが、2重ロック。ホームセンターなどで売っていますが、窓ガラスによってはすでに2重ロックが機能でついている窓枠もあります。

市販の2重ロックは脱着が面倒ですが、窓枠についているタイプは簡単に施錠が出来ます。

クレセントロックと2重ロック

こちらの施錠もしておけば、手が入る大きさの穴を2つ空けないといけないので、1つめの穴を空けられた段階で泥棒が諦める事があります。

ただし、窓ガラス全面を割られてしまった場合はどちらの鍵も役には立ちませんが、カラス破りで窓ガラス全面を割る事は少ないので2つ鍵を掛けておけばある程度の防犯にはなります。

平屋の防犯対策その2 窓ガラス

クレセント対策だけでは少し心配が残ります。ガラス破りをしっかり守るなら、防犯ガラスか防犯フィルム。

これから家を建てるなら、追加オプションで防犯ガラスに変更できますが、すでに普通のガラスを入れている場合は防犯フィルムでガラスを強化出来ます。

ホームセンターで売っているクレセント廻りだけに貼るタイプの防犯フィルムもありますが、フィルムを貼っていない箇所は割れやすいので防犯対策は弱くなります。

防犯ガラスで間違いやすいのが強化ガラスという物があります。防犯ガラスと強化ガラスは全くの別物になります。

強化ガラスは、叩いても中々割れない所から強化ガラスと呼ばれていますが、実は少し尖ったもので叩くと粉々に割れてしまいます。

平屋の防犯対策その3 外構

部屋が全て1階になる平屋は、プライバシーを守る為に高い塀や生け垣で囲いたくなります。

しかし、外からの視線を遮る高い塀や生け垣は、泥棒にとっては隠れ場所となります。一度中に入ってしまえば、通行人の目を気にすることなく、中で好き勝手が出来ます。

家を塀や生け垣で囲う場合は、視線を完全に遮るのではなく、視線をやわらげる程度に設置した方が良いです。

そして、泥棒は自分の姿を見られるのを嫌がる為、センサーライトや防犯ジャリも効果的になります。

センサーライトと防犯ジャリは通行人にも気づいてもらえるものなので、高い塀を建ててしまうと、せっかくの防犯対策が意味をなさなくなってしまいます。

これらの外構対策をしておくだけでも、防犯の意識の高い家だと泥棒が思ってくれます。

平屋の防犯対策その4 インターホン

今では当たり前になっているインターホンですが、録画機能の有り無しで泥棒に入られる可能性がかなりかわってきます。

泥棒は狙った家が本当に留守なのかインターホンを押して確認します。万が一家の人がいた場合、訪問販売を装ってその場を後にします。

インターホンで留守を確認するのは、泥棒が留守を確認する方法のうち、45.7%にもなります。

泥棒はインターホンを鳴らした姿を録画されるのを嫌うので、録画機能付きモニターフォンにするだけでも防犯対策となります。

ちなみに携帯電話のiPhoneがカタカナ表記でアイフォーンなのはアイホン株式会社がアイホン(アイフォン)で商標を取っていたためです。

しげ雄

英語表記のiPhoneもアイホン株式会社にライセンス料を払っているよ。

アイホン株式会社はライセンス料目当てのぽっと出の会社ではなく、iPhoneが発売される前からある歴史ある会社です。

まとめ

平屋の防犯対策は家が建った後に考えるより、家を建てる前から対策を考えて置く必要があります。

外構と設備を少し変更するだけでも泥棒の被害にあう可能性が低くなります。平屋でも設計をしっかりしておけば泥棒に強い快適に暮らせる家が建てられます。