住宅雑誌で最近「平屋」が特集されることが多いですね。
平屋と言えば、以前は老後の暮らしやすさから高齢者に人気の住宅でした。ですが今では、子育てのしやすさや、デザインのお洒落さから高齢者だけでなく、若い世代にも人気となってきています。
少子化や核家族化から部屋数が少なくても良くなってきた事も人気を押している理由です。
でも街を歩いても平屋なんて見ないよ。
平屋人気はハウスメーカーが流しているデマ?

そんなことはありません。
今、平屋を建てる人は着実に増えています。
国土交通省の建築着工統計
国土交通省が毎年出している建築着工統計に全国の建物の着工件数が載っています。
その建設着工統計によると、
平成23年度の木造の住居専用住宅は364,156棟。そのうち平屋は24,576棟。
平成25年度の木造の住居専用住宅は428,919棟。そのうち平屋は31,918棟。
平成30年度の木造の住居専用住宅は400,431棟。そのうち平屋は40,711棟。
年々、平屋の棟数は増えていき、今ではなんと約10棟に1棟が平屋で建っています。
参照:政府統計の総合窓口でも平屋ってあんまり見ないよ。
こんなに平屋が建っているのに、街で平屋を見ない理由は一つ。
東京都では平屋は建っていない。
平屋が全国で4万棟も建っているのに、東京都ではわずか460棟しか建っていません。
東京都では平成30年に住居専用住宅は35,394棟も建っているのに、平屋はわずか1%ちょっとの460棟しか建っていません。
全国平均で10%に対して東京都は1%
土地代が高い東京都で、460棟も建っているってすごい事だね。
首都圏で平屋を建てるにはいくら必要?
平成31年の公示地価で東京都の坪単価平均は、なんと3,624,612円。
1,820mm×1,820mmのわずか畳2枚分の敷地だけで360万円。
60坪の敷地となれば土地だけで2億越え。
2億!

すごい金額だよね。
でも、東京の区ではなく市の方ならば、坪単価50万円を切る所もあるので、60坪の土地で3,000万円、上物で2,000万円の5,000万円で平屋が建てられます。
そして、東京の隣の神奈川・埼玉・千葉なら坪単価30万の所もあります。
坪単価が30万円なら、60坪の土地で1,800円、上物2,000万円の3,800万円で平屋が建てられます。
3,800万円なら神奈川・埼玉・千葉で建売を買うのとそれほど差額が無いですよね。
都内では土地代が高くて手が出ない平屋も少しエリアを変えるだけで現実的になります。
まとめ
限られた予算で家を建てるなら、都内の狭小住宅にするか?郊外の広い家にするか?のどちらになると思います。
住宅の価格は「土地代 + 建物代」
建物代はどのエリアでもそれほど価格が変わりませんが土地代はエリアによって大きく変わってきます。
若いうちは通勤が便利な都内の狭小住宅でも良いと思うかもしれません。
でも、歳を取って高齢になったら、階段はつらくなってきます。
せっかく家を建てるなら、30年40年後を見据えて建てるのはいかがでしょうか。