親の土地に家を建てる時の注意点

親の土地に家を建てられるのであれば、土地を購入する必要がなく、住宅ローンの返済額も減らせて、経済的にとても嬉しいですよね。都市部になれば、建物の値段より土地の値段の方が大きいので、親の土地が余っているのであれば、是非活用したいものです。

しげ雄
実は、私も親の土地に家を建てました。

経済的に嬉しい親の土地ですが、トラブルが発生するリスクがあるので注意が必要になります。トラブルに巻き込まれないか家族で話し合ってから家を建てえることをお勧めします。

嫁姑問題

親の土地という事は、少なからず親が近くに住んでいるケースが多いです。一筆の土地であれば土地を分筆して家をたてるので、お隣さんがご両親になります。遠くに住んでいる時は仲のよかった嫁姑でも、いざ近くに住んでみると、些細なことでストレスを感じることが出てきます。

親の土地に住むという事は、無償で土地を借りているので、立場的に親の方が上になります。親からしてみると、融資をしたのだから、建てた家も多少権利があると主張したくなります。

そうなると、親は無断で家に入ってくることもあれば、孫に会いたいが為に夕飯を誘ってくることは日常的によくある事です。嫁からしてみると、親が無断で家に入ってくるのは流石に嫌ですよね。

我が家は、家の中には無断で入って来ませんが、庭は自由に出入りするので、気付いたら庭に知らない花が植えてあります。

嫁姑の仲が悪くなり、それでも夕飯を誘われた場合、ご近所に住んでいなければ理由を付けて夕飯を断ることができますが、お隣に親が住んでいるので、家にいることがモロバレなので断ることも出来ません。

また、子どもの教育に関しても嫁姑でもめることが多々あります。最初は共働きで忙しいのをサポートしてくれると思い、喜んでいても、行き過ぎたサポートは無駄に疲れます。

いぬ君
嫁は憎くても、孫は可愛いからね。

2世帯住宅の場合、事前にルールを決めて家を建てることが多いですが、ご近所の場合はルールを決めないで家を建てるので、2世帯住宅以上に気を遣うなんてことがあります。

しげ雄
ルールって大事だよね。

離婚になったら一大事

離婚は、結婚の100倍大変と言われていますが、やはり一番大変なのはお金の話だと思います。離婚時は夫婦が結婚している間に築いた財産(共有財産)は、それぞれに権利がある為2人で分けなければいけませんが、結婚前から持っていた財産や、夫婦で協力せずに築いた財産(特有資産)は分ける必要がありません。

親の土地に家を建てた場合、土地は親に所有権がある為、財産分与をしなければいけないのは建物だけになります。仮に、親から土地を譲渡・相続した場合でも特有資産になる為、財産分与の対象とはなりません。

法律ではこのようになっていますが、離婚時は相手からいくらお金をとれるかという事が第一優先となる為、建物代の半分だけでは納得するはずもなく、裁判沙汰になるのは目に見えてわかります。

建売住宅や分譲マンションの場合、家を売って得た現金を半分にすれば良いのですが、親の土地に建物がある場合は、親の同意が無ければ建物は売れず、評価額から負債(ローン残高)を差引いた額を相手に渡すことになります。

つまり、手持ちの現預金の半分を相手に渡し、尚且つ建物の評価額から負債を差し引いた額の半分の金額をさらに相手に渡す羽目になります。

家を出ていく方も一筋縄ではなく、ペアローンで家を建てた場合は連帯保証になっているので、家に残った人がローン返済を滞った時は離婚をしていても保証しなければいけません。

しげ雄
銀行はなかなか連帯保証を外してくれません。

意外と多い兄弟姉妹での相続トラブル

1つ問題です。兄弟姉妹の年収、貯金、借金残高をご存知ですか?

友人には年収の話や、借金の話をしても、兄弟姉妹にはお金の話がタブーになっていることは多いですよね。最近問題になっているのが、普通の家庭での相続トラブルです。

兄弟姉妹に、子どもを私立の学校に通わせている方や、都心のマンションに暮らしている方はいませんか?一見、華やかな生活に見えても、金銭的やりくりは無理をしていることが多いです。

子ども1人私立の学校に行かせるのにいくらかかるか知っていますか?都心のマンションのローン返済額は月々いくらだか知っていますか?たとえ兄弟姉妹が高所得者だとしても、所得は高くなれば高くなるほど税金が高くなり、手取りは減ります。高所得者の目安である年収1,000万円だと、手取りは約700万円になり、年収600万円で手取りが約450万円なので、所得が400万円上がっても、手取りは約250万円しか増えません。

しげ雄
共働きで世帯年収が1,000万円の方が手取りは多いよ。

資産家は相続トラブルを回避するために遺書を残す方は多いですが、普通の家庭では遺書を残すことは少ないです。資産が少なく、兄弟姉妹仲が良いから揉めることはないと思っていても、お金が絡むと人は変わります。

親の近くに住んでいて、たとえ親の介護をしていても、相続では介護していた分を多くもらう事は出来ません。遺書が無ければ資産は公平に分配です。

そして、親の残した現預金は兄弟姉妹で仲良く分けることが出来ても、土地は仲良く分けることが出来ません。家を建てた土地を相続するなら、現預金の取り分は減ります。最悪、土地の値段が高ければ、土地の評価額分を兄弟姉妹に支払う羽目になります。

親の土地に住むメリット

嫌な話が続きましたが、親の土地に住むメリットは金銭的以外にもあります。我が家は親の家まで徒歩3分でお隣さんという訳ではありません。少し離れた丁度良い距離です。

親が近くに住んでいると、地域の町内会等をサポートしてくれます。見知らぬ土地で町内会に入ると、新参者は嫌な役職を押し付けられます。親と同じ町内会なら、嫌な役職に就かされても、助言を頂き、町内の人と上手くやっていけます。

しげ雄
私も家を建てた次の年に班長になりました。
いぬ君
町内会って思っているより大変だよね。

そして、共働きで嬉しいのが、夕飯の差し入れです。「夕飯を多く作ったから取りにおいで」と、仕事後の家事が軽減されるのは助かります。但し、好き嫌いがある場合は、断ることが出来ず渋々頂く事もあります。

また、外出した時に鍵を閉めたか不安になっても見に行ってもらえるし、庭の草むしりも手伝ってくれます。さらに、私の親は趣味で野菜を育てているので、新鮮な無農薬の野菜を頂けます。

しげ雄
庭にミニトマトが勝手に植えてあった時はビックリしました。

まとめ

親の土地に家を建てるなら、トラブル回避の為に事前にルールを決めておくことは大事です。しかし、親に「遺書を書いて」など言えるはずもなく、多少は苦労することも出てきます。

離婚問題は親の土地に限らず発生することなのでそれほど気にする必要はありませんが、相続だけは家を建てた後でもよいので事前に話しておく必要があります。

ちなみに、私の家系は家督相続で、長男がほとんど相続する予定なので、次男の私は土地だけを相続する予定です。