平屋の動線はこんなに短くなる(家事育児編)

平屋といえば、高齢者が縁側でお茶をすすって過ごす昔ながらの古民家をイメージする方も多いと思いますが、近年は若い人、特に育児を行う世代で人気が高まっています。

老後の事を考えて最初から平屋を建てる人もいますが、若い人に人気の理由は、動線が短く家事がしやすいことが大きな理由となっています。

今回、平屋と2階建てでは、家事動線がどの位違ってくるかをお話ししたと思います。

家事動線(キッチン)

寒い朝

主婦・主夫にとって、朝起きて最初にやることは朝ごはんの準備ではないでしょうか?

冬の霜降る朝、暖かい布団から脱出することも困難な中、勇気を振り絞って体を起き上がらす。 リビングのエアコンをタイマー予約で起きる30分前に起動するようにセットしていても、寝室からリビングに行くまでに、玄関から来る冷気に冷やされた廊下を渡らなければいけない。

2階建ての戸建ては、リビングと寝室が別々の階にあることが多いので、朝起きて朝食を作りにキッチンに行くためには、寒い廊下を通らなければいけません。廊下が無ければこんな思いをしないで済みますが、2階建てで家を建てると長い廊下はつきものです。

平屋は間取りによって廊下をほとんど無くすことも出来るので、冬の朝でも寒い思いをしてキッチンに行かなくてすみます。

ショッピング

コロナ禍でネットショッピングを使う人が増えましたが、配送業者が運んでくれるのは玄関までです。段ボール一杯に詰め込まれた荷物は、まずはリビングに移動して中身を確認します。

狭い階段で、段ボール抱えての上り下りは転倒の危険があります。平日昼間に届いた荷物は、リビングに運んでくれる主人が帰ってくるまで玄関に置きっぱなしするのは抵抗がありますよね。

我が家はペットのトイレシートを段ボールでまとめ買いしますが、最近は梱包が3個入りから4個入りにかわり、とても階段を登れる大きさではなくなりました。

フラットな平屋なら、女性が持ち上げるのに一苦労な荷物でも、引きずりながら移動も出来るので、平日昼間に荷物が届いても、女性でもすぐに片づけられます。

そして、毎日の食料品の買い物も平屋はキッチンに運ぶのがとても楽です。暑い夏の季節はペットボトルのお茶の消費が激しい為、ケースでまとめ買いをする人も多いと思います。500mlが24本入りの段ボールは12㎏以上あり、女性が抱えて階段を上ることは大変です。

洗面脱衣所

子どもがある程度大きく育って来たら、料理をしている間に子どもをお風呂に入れることもあります。お風呂場から「シャンプーがな~い」「パジャマ持ってくるのを忘れた~」など、お母さんを呼ぶ声が聞こえてきます。

お風呂場とキッチンが近いと、キッチンに立って料理をしていても、子どものSOSを聞き逃さず、すぐに駆けつけることが出来ます。

また、夫婦2人でキッチンに立つときは、洗面台がキッチンの近くにあると、洗面台の蛇口が使えて料理の手際が良くなります。一人が洗い物をしていても、お肉を切るのに汚れた手もすぐに洗う事が出来ます。夫婦2人で料理を作るなら、洗濯機も同時に回して、洗濯機が終わっても1人が干す作業に回れます。

しげ雄

洗濯機が遠い所にあると、洗い終わったのが気付かないよね。

家事動線(洗濯)

洗濯物干し

2階建ての洗濯は主婦泣かせで、かなりの労力を必要とします。寝汗をかく蒸し暑い夏は、シーツをこまめに洗濯して綺麗な布団で寝たいです。我が家は休みの日に衣類・タオル・シーツと3回も洗濯機を回します。

2階建ての場合、洗濯機のある1階に洗濯物を干す人は少ないですよね。日当たりのよい2階のバルコニーに干すのが一般的だと思います。水分を含んだ洗濯物は重く、カゴ一杯に入れた洗濯物を2階に移動させるのは大変です。

これが平屋なら、階段がないので、重たくなった洗濯物を上の階に移動させることはありません。

洗濯物の片付け

洗濯物が乾いたら、洗濯物を取り込んだ部屋でアイロン掛けをして、綺麗に畳んだら、各部屋に配らなければいけません。寝室・子ども部屋・脱衣所が別々の階にあれば、またまた階段を上り下りしなければいけません。

洗濯にかかる労力は、洗濯物の回収で2階から1階へ、洗濯物干しで1階から2階へ、洗濯物の片付けで2階から1階へ。

しげ雄
何回階段を上り下りさせられるんだ!?

家事動線(育児)

いつも同じ階にいられる

子どもがまだ小さいと、なかなか目を離すことが出来ず、2階で洗濯物を干していると、突然子どもの鳴き声が。急いで駈けつけてみると、頭をぶつけたらしく、痛みを忘れさせるために一苦労します。

ワンフロアーに一緒いられる平屋なら、子どもから目を離すことも少なく、安心して家事をすることができます。

また、子どもが大きくなってくると、1人で部屋に籠ることも増えてきます。ご飯の支度が終わり、階段で子ども部屋に向かって「ご飯が出来たよ~」と叫ぶお母さん。部屋でテレビを視てたり、音楽を聴いていると階段からのお母さんの声は届かないです。

いくら戸建てといえど、大きな声で叫んでは近所迷惑になってしまいます。これが、平屋なら叫ぶことなく、子どもを呼ぶことができます。

忘れ物の多い子ども

子どもが学校に持っていく持ち物は沢山あります。玄関で「行ってきます」の言葉を聞いて、持ち物チェックをすると、慌てて部屋に戻っていきます。

子どもが既に靴を履いてしまった後では、お母さんが部屋まで忘れ物を取りに行く羽目になることも珍しい光景ではありません。玄関から「お母さん○○持ってきて」なんて声が聞こえると、自分の身支度をしていても子ども部屋まで取りに行かなければいけません。

2階建ての場合、子どもの見送りで2階から1階の玄関に行き、忘れ物があると忘れ物を取りに2階の子ども部屋まで逆戻り。

いぬ君
朝からドタバタだね。

平屋ならこんなドタバタ劇もなく、すぐに玄関にいる子どもに忘れ物を届けることが出来ます。

家事動線(掃除)

掃除機掛け

戸建ての設計でコンセントの位置をミスると、掃除機掛けがとても大変になります。各部屋にはコンセントがあっても、廊下や玄関に配置するのを忘れることが多々あります。

特に掃除機掛けで大変なのが階段で、部屋のように本体を引きずって掃除機をかけることが出来ず、片手で本体を持ち上げて掃除機掛けをしなければいけません。

しげ雄
最近はコードレスが増えてきたけど、使っていくと吸引力が落ちるよね。

何回もコンセントを差し直して家全体を掃除機掛けするのって大変ですよね。フラットな平屋なら、コンセントの差し直しも少なく、本体を持ち上げることなく家全体を掃除機掛け出来ます。

雑巾掛け

フローリングにこびり付いた油分は掃除機掛けでは取り除くことが出来ません。硬く絞った雑巾で雑巾掛けをしなければ菌が繁殖してしまいます。

水を入れたバケツは重たく、階段を上り下りすれば水がこぼれて掃除の手間を一つ加えてしまいます。平屋のように、歩いてすぐの所に洗面台があれば、バケツを用意しなくてもよく、雑巾掛けが楽になります。

まとめ

家の中に階段が無いだけで、家事動線はとても短くなります。家事育児は男性が想像しているより重労働です。平屋は、家を任される主婦・主夫にとって、労力軽減できる嬉しい間取りです。