巷では「家は3回建てないと理想の家にならない」と言われます。ですが、家を建てるのは一生で一度。3回も家を建てる人なんてほとんどいないですよね。
1回の建設でも設計士と打合せをしっかりすれば後悔しない家を建てる事は出来ます。
家造りで後悔する訳
注文住宅のブログを読むと、多くの方が失敗談を語っています。それだけ家造りで後悔した方が多いという事です。
家を建てる施主は家を一度も建てたことがない素人です。建売住宅は設計のプロの方が全てを決めて建てますが、注文住宅は施主の要望を聞いて家を建てます。
せっかくの注文住宅を建てるなら、あれこれと要望を言いたくなりますよね。
ハウスメーカーも施主のご機嫌を損なわないように出来る限り施主の要望通りの家を建てようとしてくれます。
しかし、この施主の要望が家造りで後悔する理由です。
家の要望を言っちゃいけないの?
要望を言う事は悪いことではありません。むしろ要望を言わないと理想の家は建ちません。
問題なのは要望を言ったがために、間取りがおかしくなってしまう事です。
暮らしの快適さを決めるのは「間取り」です。特に平屋においては「家は、性能」より「家は、間取り」です。
間取りがおかしくなるってどう言う事?
ハウスメーカーの設計士と間取りの打ち合わせをする時、施主は次から次へと要望を出します。
・リビングの横に畳部屋が欲しい。
・キッチンパントリーが欲しい。
・キッチンからも洗面所に行きたい。
・リビングは明るく2面採光がいい。
・大きいテレビを置きたい。
・リビングにも収納が欲しい。
・リビングの壁にアクセントをつけたい。
・リビングは明るい南向きがいい。
・トイレはリビングの近くがいい。
これらの要望はよく耳にする内容だと思います。特にリビングを主とする平屋の生活では、どれも捨てがたいですよね。
ハウスメーカーの設計士は、施主の要望で間取りを書いてくれます。
要望通りの内容なので、きっと素敵な間取りが出来上がることでしょう。
でも、出来上がった間取りはどうでしょう。
リビング周りに詰め込みすぎて、導線が不便になってないですか?部屋や収納の広さは十分にありますか?
要望を詰め込んだ間取りの後悔例
基本の間取りに要望を付け足せば、何かを削ることになります。要望が多ければ、一回り小さい物で作ったり、いびつな形になるため、実際に暮らすとストレスが溜まる間取りになってしまいます。
キッチンパントリーで失敗
・キッチンパントリーを作ったせいで、カップボード置き場が狭くなった。
・キッチンスペースが狭くなり、夫婦2人で料理がしづらい。
・歩く部分には物が置けないので、あまり食材をストックできない。これなら収納棚でもよかった。
キッチン横の洗面所で失敗
・洗面所へ行く扉のせいでゴミ箱の置き場がない。
・子供が外で遊んで泥だらけの格好なのに、浴室にはキッチンを通らないと行けない。
リビング収納での失敗
・クローゼットの収納扉と子供部屋の扉がぶつかり合う。
・壁が少なくなり、大きなテレビが置けなくなった。
リビングに面した畳部屋で失敗
・来客用の寝床として畳部屋を作ったが、実際は来客者が寝泊りに来る事は少ない。それならリビングと繋げられる洋室の方がよかった。
トイレの位置で失敗
・リビング横のトイレで、音かリビングに聞こえる。匂いも気になって、落ち着いて用を足せない。
これらの間取りの失敗はリビングでの失敗例です。寝室、子供部屋、水回り、玄関、他に要望を言いたい箇所は沢山ありますよね。
それだけ、間取りで後悔する可能性は増えていきます。
後悔しない間取りを造る為に
間取りを一緒に考えてくれるハウスメーカーの設計士も決して後悔する間取りを造りたいわけではありません。むしろ設計士は施主に間取りの問題点を確認しています。
何で施主は問題点をスルーするの?
設計士に大きめのキッチンパントリーを造りたいと言った場合、「キッチン裏に食器を置くスペースを確保しなければいけないので、小さいキッチンパントリーなら作れます。」なんてことは言いません。
何故なら、そんなことを言うと施主はキッチンパントリーが小さくてガッカリしてしまうからです。
設計士は「キッチンパントリーを造る為に、キッチン裏のスペースを小さくしても良いですか?」と、こんな感じで言ってきます。
施主は大きいキッチンパントリーが出来るならと喜んでOKをだします。
最初に話した通り、施主は設計の素人です。少し小さくすることに対してイメージが出来ません。「455mm小さく」と具体的な数字を言われてもどの位の広さかイメージ出来る人は少ないですよね。
設計士が「○○しても良いですか」と聞いてきたときは、デメリットの確認です。プラス面だけでなくマイナス面の話も詳しく話を聞いて下さい。
間取りで後悔しない為には、「そうなると使い勝手が悪いですかね?」と設計士の意見を聞くことが大事です。
設計士も意見を聞かれれば「少しキッチンパントリーを小さくしてでも、キッチン裏のスペースは確保した方が良いかも?」なんて言ってくれます。
他の人からアドバイスを貰うことは重要だね。
希望の条件に優先順位をつける
設計士に間取りの要望を伝えるとき、優先順位を話しておくことも重要です。「あれが欲しい、これも欲しい」と伝えると、設計士は全てを詰め込んできます。
優先順位が中くらいの物は、「出来れば○○が欲しい」と伝え、優先順位が低い物は、「無理なら無くても良いのですが」と伝える事が重要です。
設計士と意思疎通が出来れば本当に必要な物だけを残して、優先順位の低い物を除いた間取りが出来上がります。
優先順位の低い物を入れた間取りよりも、本当に必要な物を必要な大きさで残した間取りの方が満足度の高い間取りになります。
まとめ
平屋で快適に暮らすためには間取りがとても重要です。
平屋を建てようと思った理由は何でしょうか?
導線が短い、老後が暮らしやすい、ペットが暮らしやすい、子育てがしやすい。
理由は人それぞれだと思いますが、間取りが悪ければどの理由も叶えることは出来ません。
せっかくの平屋生活は間取りで満足度がさらに上がります。