平屋のデメリットは土地選びで解消できる

平屋の良さを皆に知ってもらいたいサイトの為、平屋のメリットを中心に記事を書いていましたが、平屋はメリットがあれば当然デメリットもあります。

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平屋を見上げた天井

平屋のデメリットは、おもに1階しかない事が原因となっていますが、そんなデメリットも土地次第でデメリットを感じさせなくすることができます。

デメリットが気になって平屋にするか2階建てにするか悩んでいる方は、是非参考にしてください。

「平屋は陽当りが悪い」を解消する土地

陽当たりの良い家は誰もが憧れる理想の家ですよね。陽の光が入らない暗い部屋だと、気分も暗くなってしまいます。

太陽は斜め上から陽を差し込むので、2階建てなら目の前に同じ2階建てが建っていても、1階が暗くても2階は陽の光が差し込む明るい家になります。しかし、1階しかない平屋は目の前に2階建てが建っていると陽の光が差し込む部屋がなく、どの部屋にいても暗い家となります。

家を建てる時は、目の前がひらけている明るい家でも、目の前に建物が建ってしまえば陽の光が入らない家になってしまいます。

いぬ君
目の前に高い建物が建たない保証はないよね。
しげ雄
そんな将来の不安も用途区画によって解消することが出来ます。

都市計画法の地域地区の土地には用途区域という物があり、土地が使用できる用途を13に分けています。

1 第一種低層住居専用地域
2 第二種低層住居専用地域
3 第一種中高層住居専用地域
4 第二種中高層住居専用地域
5 第一種住居地域
6 第二種住居地域
7 準住居地域
8 田園住居地域
9 近隣商業地域
10 商業地域
11 準工業地域
12 工業地域
13 工業専用地域

この用途区域によって建てて良い建物の種類、建蔽率、容積率、高さ制限、前面道路幅員別容積率制限、道路斜線制限、隣地斜線制限、日影規制を規制しています。

その中で、低層住宅の良好な住環境を守るための地域として定められているが第一種低層住居専用地域になります。第一種低層住居専用地域は、建蔽率が30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率が50%、60%、80%、100%、150%、200%のいずれか、高さ制限が10mまたは12mと、地域によって決められており、高い建物が建てられない地域になります。

第一種低層住居専用地域は地方の一部だけと思われがちですが、都心でも栄えている駅以外は、駅から少し歩いただけで第一種低層住居専用地域になっているところがほとんどです。

閑静な住宅街ならば、第一種低層住居専用地域で建蔽率50%又は40%、容積率100%又は80%の所が多いので、建物同士が密集することがなく、平屋でも陽当りを確保することが出来ます。

用途地域は「用途地域マップ」で調べる事ができ、建蔽率、容積率も載っています。

全国の市区町村の用途地域、市街化調整区域を、市区町村ごとに色分けして地図上に表示します。…

用途地域マップ

「平屋は広い土地が必要になる」を解消する土地

平屋は2階建ての2倍土地が必要と言われています。同じ建坪なら、2階建ての2階部分が1階に降りてくるので単純に平屋に必要な土地は2倍になります。

しかし、全てにおいて平屋は2階建てを建てるより2倍土地が必要という訳ではありません。

陽当りの件で話した第一種低層住居専用地域には建蔽率50%、容積率80%に規制されている地域が沢山あります。この建蔽率50%、容積率80%の地域では、平屋は2階建ての2倍の土地は必要ありません。

建蔽率50%、容積率80%の地域で30坪の家を建てるなら、平屋は60坪の土地が必要になりますが、2階建ては半分の30坪では家を建てることが出来ません。

30坪の土地だと、容積率の規制で24坪(30坪×80%=24坪)の建物しか建てることが出来ません。つまり、1階が15坪で2階が9坪、又は1階2階が共に12坪の建物になります。

30坪の建物を建てるなら、37.5坪(土地の広さ×80%=30坪 → 土地の広さ=30坪÷80%=37.5坪)の土地が必要になります。

土地が37.5坪の場合、1階が18.75坪で2階が11.25坪、又は1階2階が共に15坪の建物が敷地に建てられる最大の大きさになります。

平屋と2階建ての必要な土地の広さを比べてみると、平屋が60坪、2階建てが37.5坪必要なので、2階建ての1.6倍の土地で平屋を建てることが出来ます。

しかも、平屋は同じ間取りなら、廊下が少なく、階段スペースがないので、2階建てより少ない坪数で家を建てることが出来ます。無駄なスペースがない平屋は30坪なくても28坪程度で2階建てと同じ広さになります。

28坪の平屋は土地が56坪必要になり、37.5坪の2階建てを比べると、約1.5倍になります。

建蔽率50%、容積率80%の第一種低層住居専用地域では、平屋は2階建ての2倍の土地が必要ではなく、1.5倍の土地で建てることができます。

いぬ君
1.5倍なら手が届きそうな広さだね。

「平屋は通行人の視線が気になる」を解消する土地

平屋が通行人と目線が合ってしまう理由は、道路から窓までの距離と角度にあります。家が少し高くなっていて、道路と窓に距離があれば、通行人の目線は気になりません。

坂のある地域では、土地を平らにするために擁壁が組まれている土地がたくさんあります。盆地ではあまり見ない擁壁ですが、私の住んでいる横浜は擁壁がある家ばかりです。

擁壁があることによって、外の道路より1段高くなっているので、外から家の中を覗こうとするなら、見上げなければ覗くことができません。

しかも、視線は下から上になっているので、視線の先は部屋の奥ではなく、天井に向きます。さらに道路から窓までの距離を長くすれば、視線はさらに上になります。

擁壁がある土地は、視線をずらすだけでなく、水害時も家を守ってくれます。

盆地で平屋の場合、大雨や台風で冠水してしまうと逃げるところがありません。擁壁があれば、道路が冠水しても家が一段高くなっているので、家の中まで水が入りにくくなります。

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海沿いの横浜市

擁壁が組まれている場所でも視線が気になる様なら、視線を遮る庭木を植えるのも一つの手です。土地に対して建物を北側に目一杯寄せれば、南面は開けます。開けた南面は掃き出し窓で陽当たりを確保し、庭木を植えるスペースもできます。

「平屋は防犯が気になる」を解消する土地

1階しかない平屋は泥棒に入られやすいと思う人も多いと思います。2階から侵入するには通行人に見つかるリスクがある為、1階からの侵入の方ほうが2階からの侵入より多いです。

2階がない平屋はリスクが多いと思われますが、1階は2階建てでも3階建てでもあります。2階建てでも、1階に人が侵入できる大きさの窓があるなら、泥棒に入られるリスクは平屋と変わりません。

泥棒が入りやすい建物は階数ではなく、立地に原因があることが多いです。泥棒は通行人の目を気にするため、奥まった旗竿地などは一度敷地に入ってしまえば通行人の目線が無く泥棒の被害に合いやすいです。

道路に面した立地なら泥棒も通行人の目線が気になり、侵入しようとする気が無くなります。ただし、通行人の目線を気にしてフェンスなどで家を囲ってしまうと泥棒が入りやすい家になってしまいますので、通行人の目線を遮るなら庭木程度にしておくことも重要です。

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金塊が散らばっている

まとめ

平屋のデメリットと感じることは土地選びである程度解消することが出来ます。土地選びは、ただ単に広ければ良いという訳ではなく、陽当り、通行人、防犯を意識する必要があります。

土地を購入する時は、建物の完成をイメージしてから購入することをオススメします。